虫大好き少年&少女は命の大切さを知る
3月なかば、町田薬師池公園に出かけた。池へのアプローチには椿の花が咲き、蓮が活けられている沼地には水を引き入れる準備がされていた。私たちは去年の長野の雪に懲りて今だに山小屋への足が遠のいている。
少しだけ野を超え、少しだけ丘を越えれば狭いと言われている日本にも田園が広がっている。今まさに春の助走が始まって、梨畑にはホトケノザがピンクの花を広げている。
私が急に年とったように感じるのは、「1カ月半前に母が亡くなったからであって、本当は若さに溢れている」と嘘でも言ってみたい。そう言えばもうすぐ4月になる。人は嘘は言いたくないから嘘くさいことを言いかけたら、言葉の間に漂うものを汲み取ってほしい。みんな忙し過ぎて言葉の間のニュアンスを感じるなんて無理かも知れないけれど。
薬師池公園の事務所前では、亀を散歩している光景に会った。カムという名の亀は体の突起物(生殖器)に砂がつくので外ではオムツを付けているという。私が話しかけたら、ドンドン近づいてきた。もう年齢は6年ぐらいたっているらしい。タンポポやカラスノエンドウを食べると聞く。さすがに飼っている亀なのでシャワーも浴びせたり手入れをするようで亀甲模様が美しかった。そのあと薬師池の中に住む亀を遠くからではあったが見て、紋様が見えにくかった。自然にいる亀の場合、コケとかぬめりがついているのだろう。
椿の花を美しく見せるものに緑の葉が不可欠なのだけれど、冬の寒さと霜にやられて、葉の表面に艶も無くなっている。大島や伊豆のような冬でも幾分暖かいところでないと、椿の赤に対する緑色の鮮やかな補色は期待できないのだろう。
公園の中で何度か、蝶の飛ぶ光景を目にした。高くを飛んでいるのでシルエットだけだった。そして帰りがけにコンクリートの通路に休んでいる蝶を発見。相棒が撮影をし始めた。そのうち、小学校低学年のお兄さんと幼稚園くらいの女の子が来た。二人とも一生懸命観察している。
相棒が撮影を終えたのでその子たちに、蝶を欲しい?と聞くと男の子が目を輝かした。そして毒はない?と聞く。無いわよと私。じゃあ採ってみたら?と私が言うと、男の子が手を伸ばした。すると女の子がダメ! 僕は欲しい。ダメー! かわいそうだよ、と女の子。私の一言が可愛い兄妹に大きな斑紋を拡げてしまった。駐車場に戻りながら振り向くとお母さんが子供たち2人を前に一生懸命にお話ししていた。
私は男の子の気持ちに添ってしまっていた。春が来たばかりだけどこの自然の中には蝶はいっぱいいる。あの男の子が捕まえる勇気を持つ方が大切だと思うけれどね。絶滅を気にするのは悲しいよ。採ったって死にはしないとも言いたかったけど。通りすがりで時間がなかったから。最近は命の大切さを教えることのほうに重点を置いているかもしれない。
虫大好き少年&少女は結果的には命を大切にする子に育つと私は思うけれど。
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