望君のこと・エピソードⅠ
6才の望君は教室に来ても泣いてばかりいた。以前から絵の具を全部混ぜてしまったり、途中でやめたり、不安定な状態が続いていた。訳を聴くと、お母さんは好きだけど、お腹の赤ちゃんはいやだという。
「 よし、じゃあ赤ちゃんが嫌いなら、絵の中でやっつけちゃおう 」
「 うん 」
彼がピンク色で描いた赤ちゃんを、彼の指示によって、二人で赤や黒、緑、茶で塗りつぶし始めた。3枚塗りたくると彼の目が輝いてきた。
「 次はお母さんを描こう 」
「 うん 」
今度は望君一人ですばらしいお母さんが描けた。周りにいた子供たちも一緒に目を輝かした。
「 望君、良かったね 」
その日の出来事はひとつの賭けでした。失敗したら大変です。今弟が生まれた望君は安定した気持ちで絵を描いています。・・・・・・・1984年の出来事より・・・・・・・・
この絵はそのときのイメージです。
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