ナナカマドの紅葉
川上の森の中のナナカマドはもっと色づいただろうか? 横浜のアメリカハナミヅキも紅葉した葉が歩道に落ち始めている。 森の葉は春に芽吹く時は薄紫にけぶり、 夏は黄緑から緑へと変化し、秋には山を黄や赤や朱に染め分ける。
私はよく森の木々を人に喩えて考えることがある。
木から落ちたどんぐりはその親の木の下では大きく成長しない。 遠くの豊かな土壌まで、 厳しい道のりを流れていき、 根を張ってこそ、その木は成長できて、 大きな木になると。 それは清里清泉寮の近くの川で、 主人の撮影の助手をしたとき、 カメラバックが濡れぬように番をしていて気づいたことだ。 木から落ちてくるどんぐりが下の地面に転がるのもある。 またそばの川に落ちて流れていくのもある。 意味もなく長い時間、 待つ間には哲学的なと、 までいかないけれど、 何かしら悟ることがある。
私はいまこの紅葉の写真を見て、その紅さに何かを感じそうだ。 そう、あえて言えば、木にとっての紅葉は人間のシワや、シミ、白髪なのだろう。 今日、芳州先生の大学のスキー部のOB会で40年以上たつ友人たちに会った。 皆、きれいに紅葉していた。 そして私は久しぶりにうれしい気分になった。
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