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2006/03/30

桜のようにパッと咲いて、パッと散る

Sakura_001 先生、あの人工呼吸器をはずしてはもらえませんか。」

「父の苦しい様子を見てられません、もっと楽にしてあげてください」

私は父のいた病院で、その言葉を言ったことを今もはっきり思い出す。富山県射水市民病院の人工呼吸器をはずした事件は私にとってまたしても、池に石を投げた後の波紋のように心と頭と心臓に広がっている。

ここ数日、気分がすぐれない。

「父はパトリシア・コーンウェルを読む人なんです。父は銀座でコーヒー飲むのが好きなんです。いまはこのパジャマを着ているけど、もっとかっこいいんです。」 ナースに必死で言った。人工呼吸器は、喉に穴をあけて、付けられるものだ。医療器具の中では全くかっこ悪い。そのままでいたら死んでしまうが、付ける事によって死にはしないし、かなり永らえることもできる。人の話しではかなりのお年で、8年も生きた人もいるという。それでも、機械と自分の呼吸と合わせられず、苦しい思いをする。苦しいからそれを取りたがってしまうので、拘束の手袋もつける。紐で縛る。私は病院にお見舞いをして帰りに紐で縛って帰ってきた。手袋はかなり硬いから血が流れにくくなり、しびれる。ああ、ああ、思い出したくなかったが、思い出している。父は私に目で合図してこれを取ってくれと言った。何度も言った。何度も言った。最後まで認知症ではなかったからなおさら辛かった。

今マスコミではこの事件について、いろいろ論議されている。私の父のことでは家族は一致した考えだったが、場合によっては違う意見が出る家族もあると思う。親戚に違う考え方の人も出てくれば、今回のようなことになるやも知れぬ。父は日記に書いていたようだが、正式には書いていなかった。ただ、病院はその装置を急に説明することがある。家族全員が賛成するとは限らない時もある。

子供の頃、忘れていた宿題を思い出してドキッとしたことがあるが、ひどい点を取った答案用紙を隠していて、それを親に聞かれたときもドキーンとする。今の私はそんな気持ちの日々だ。

我が家からは今満開の桜が見える。さてさて、私は桜のようにパッと咲いて、皆にきれいって言われて、パッと散りたい。4832、もう無理か! 

(ココログの不具合で3月31日8時まで記事の更新ができず、お見苦しい画面だったと思います。昨夜はいつもの3倍の時間がかかりました)

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コメント

そうです。このことはニュースにはなっていても、当事者のおかれた環境で違うことがあると思います。自分の時、親の時、連れ合いの時。ですから、とりあえず、自分の意思をつげておくというか。それが法的にきちんとして無いといけないと思います。

投稿: 豊田恵子 | 2006/04/01 05:52

私の父は脳出血を起こし、意識が無くなってから3日間酸素吸入だけで心臓は動いていました。歳も歳だったから、それ以上の延命措置も医者はしなかったようです。 
 しかし母はかなり認知症が進んで、父とは逆に体力は有るから動き回る。外へ出ることは好きではないらしく家の中でいろいろなことを、何を思ったかある時包丁でテレビの電源コードを切った。バチッという音と光がして、焦げて刃の一部が欠けた包丁を持った母がいた。そんなことがあってしばらくして、母は兄の家へ行くことになり・・・でも結局は家で転んだりして目が離せず入院しています。病院でも起きている間は目が離せないらしく、車椅子に半分縛り付けられたような状態で。。。 認知症の人の意識がどこにあるのかよく判らないので気持ちは定まらないのですが、いわゆる機械的な延命措置は私は賛成しない。 私本人は既に心臓が壊れている人だから、何かあれば比較的短時間で片が付くのではと思っているのですが。。 いろいろな意味で自然体で居たい。だから自然体で消えたい。 と言って自分以外の人にそれを押しつける訳にはいかない。しかし死に行く人がどう考えているのか。。未だ頭が健全なうちに子供に伝えておくことでしょうか。

投稿: flugelGT | 2006/03/31 22:25

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