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2006/10/18

「三十か月」を読んで

Book_1 「三十か月」  シルト・ウォルターズ著 朝比奈一郎訳 (冨山房インターナショナル)

「三十か月」を読んだ。第二次世界大戦中のオランダでユダヤ人の家族を守り、結果として自分の家族をも守った男の自伝だ。シルト・ウォルターズ氏は一番初めにこのように書いている。

「 戦争についてなにかを書こうとすれば、どうしても、戦争の理由や原因について考えざるをえない。原因なしに戦争が起こることはない。ほとんどの場合、最終的な戦争勃発にいたるまでには、長い年月にわたって危険信号が発せられているものだ。・・・・・最初の予兆はほとんど気づかれることもないので、人々が自衛策を講じなければと目覚めるころには、すでに手の施しようもないほどのエネルギーと破壊力を持ってしまっているのだ。 」

ウォルターズ氏は第一次世界大戦でドイツは戦いに破れ、世界の国々によって、徐々に追い詰められていったと、とらえている。ナチスドイツの台頭やそのころの出来事を、賢く分析している。ユダヤ人家族を受け入れるにあたっての工夫、家族の態勢の整え方も、これまた、賢く考えている。彼がちょうど30歳で、3人目の子が生まれたばかりの時だった。

ナチスの悲惨さや、近所の人を信用もできない恐怖の日々も書いてあるが、ウォルターズ氏が、ユダヤ人の家族も自分の家族も、まとめて守ろうとする知者としての工夫と勇気が凄いと感じた。そして神への良心の忠誠だ。

私たち日本人はほとんどが無宗教で、ウォルターズ氏のようには習慣的に神に祈らないことを、寂しく感じた。そして、この本を読み終わって、アンネの日記とは別の視野に立って書かれているこの本の映画化があればと、思った。

それほどに、今、日本に戦争の危機が迫っているかもしれない!

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