春雪の悪戯//森の中で起きていること
春の台風は雨交じりの重い雪を降らしたようで、山小屋に近い道路は木がなぎ倒されていた。家の電気は付いたが、電線がシラカバの倒木で引っ張られ家の壁が剥がれていた。電話線も切断していたので、その復旧作業でいろいろ手間取った。
山小屋暮らしも楽じゃない。一晩、二晩経つうちに、冷静に森の中で起きていることが読めてくる。人生と似ている。このような言い方をすると人生を知った、歳を経た人のように思われてしまいそうだ。チガイマスカラ!
松の木が頻繁にやられていた。無残にもまっすぐ伸びている頭頂部が折れて、いかにも不自然な姿を現している。本来森の木はまっすぐ伸びているのに、まるでアミダ籤の横線を引いたようになっている。でも考えてみれば、最近は木が茂ってきたため、夏の森が暗かった。いくらシラカバでも伸び続ける訳にはいかない。その時が来たのかもしれない。倒木更新。
村の天然記念物に指定されている樅の木が折れていた。いつも山小屋に来る時に見ていた木だ。無残。芳州はブログ《豊田芳州のTheme》にその樅の木の記事が載せている。
我が家のベランダ前のシラカバも折れて美しくない姿になっている。だがシジュウカラたちは最近置いた餌台に来やすくなった。細かい枝が増えたからだ。《喫茶・止まり木》とか。
また、この折れたシラカバから樹液が落ちているので下に器を置いて、集めている。シラカバのキシリトールはガムにもなっている。集めてから何かに利用してみようか。まずは自分で人体実験。
森の中で起きていることをすぐそばで感じ、想像し、思いを巡らしていると時間はあっという間に経っていく。出来うれば、森の中に浸りきっていたい。
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