黒ツグミの声に送られ、戻ってきました横浜へ
今日の朝、川上から戻った。畑に残した自分の長靴の足跡も、早朝から鳴く黒ツグミのヒョロリ、ヒョロリ、ヒョロリという鳴き声にも後ろ髪をひかれる思いがした。連休中のいろいろな仕事の荷物を車に詰めながら、自分の川上への気持ちを大事にしたいと心から思った。
白樺林の中に咲くスミレがほほほとばかりに、朝早くから笑って咲いていた。思わず、私もほほほほほ。
昨日は畑の柵を直して、地面を開墾し、肥料を鋤こみ、畝を作って、種を蒔いた。赤カブ、イタリアンパセリ、ルッコラ、カボチャ、大根。苗も少しだけ植えた。トマト、シシトウ、キャベツ。毎年輪作をしてきたジャガイモは今年は止めた。
プロの農家じゃないのだから気楽にやろうと、クワを振りながら、心で反復した。やりたい事がいっぱいあって、やらねばならないこともあるから、気楽に気軽に楽しくやりましょう。それでも畑を耕しながら背を伸ばして、青い空を見上げ、シラカバを見れば、あの木はバランスが悪いから、冬になったら切りましょうとか。またその木をきった後にツリーハウスを作ったらどうかしらとか。楽しいことを思いつくけど、すべて時間と自分の体力との相談になる。
我が家のズミの木はその本来の性質のために複雑な生え方をし、いろいろな木にしなだれかかったり、自分で支えたりしていたが4月半ばに雪が降り、水を含んで凍ったために、その重さで木が折れた。
周辺の木々も折れたり、電線を切ったりした。そしてその日についにズミも折れて、道路に覆いかぶさった。管理人さんが切ってはくれたが、かなりの木材が道の傍らに置かれていた。どうしても仕方がない処置ではあったが、私は気になっていた。そこで自分の畑を仕上げてから、夕方の2時間ほどを使って、そのズミの木の処理に取りかかった。力がない分、頭を使って、工夫し、木材を切り、折り、投げ、処理した。 途中から芳州さんが手伝ってくれ、木の残骸を美的に処理できた。そうしなきゃ森を作っている木に申しわけない。
そして、黒ツグミの声に起こされ、さよならして横浜に戻ってきたのだが、好きな土地にしばしでも別れを告げるのはつらい。いつまでもそこにいたい。好きな土地が増えていくのは幸せなことだ。川上と横浜の二都物語と、それに加えて、ドイツを加えての三都物語もすべて私にとって大切な土地であり、大切にすることが自分の体を循環して新しい何かを生み出しそうなのだ。これを無しにしたら自分が自分で無くなってしまう。アイデンテイテイー。だからこのサイクルは止められないと思う。
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