子どもたちは≪私の絵本≫を製作中
今年はあとりえの展覧会がないので、子どもたちはゆったりと≪私の絵本≫を描いている。まだ下書きを描いている段階だ。13ページのコンテにして、連続した流れを表して構築力を養えるようにした。途中で話が終わってしまわないように計画的に仕事をするのも大切だ。このやり方を提案したのはあいか先生だ。
今の段階で、ショウキ君が飛びぬけた面白さがある。1回目にコンテを書き、2回目に同じものを書くように言ったがまた別の絵を描く。でも彼の友達を描いているのだから、絵が以前と今とでは違ったっていい。始めに違うことを言ったがかまわずもっと面白いことに気づいて書いていく。ショウキ君が入会した始めのころ、お母さんから、少しぽわっとしていると聞いたが、それに加えて、自分のこだわりを主張を強くしないで、自分を通す。良い傾向だと思う。こんな感じは絵を描くことに向いている。
この間、NHKの≪クローズアップ現代≫で、発達障害児についての特集をしていた。現在日本には6パーセントも子供にその傾向があるという。。しかし、そういう場合には個性を伸ばす教育や自信を持たす工夫をすると伸びるという。それはどの子だってそうしたい。こういう傾向の子供たちは美術や絵画にその個性を伸ばしやすいという。単語の読み書きがにがてという。
それで言うとショウキ君は反対だ。字はとても丁寧に書く。そして絵は独特の描き方と説明が面白い。彼にはほんのちょっとのマイペースさがある。でも人の気持ちをよくわかる優しさがある。彼は映画をテレビでの紹介を見ただけで全部を見たように話す。きっと勉強だってやり方が良ければすごい理解力がありそうだ。間違えてはいけないので言っておくが、ショウキ君がここに持ち出しているからといって、そういう傾向があるというわけではない
学芸大学の上野一彦氏は言っている。
発達障害と決められることが困る親がいるという。その気持ちも親としてわからないではない。だが学びにくさに周りが気がつかないと、かえって2次障害的に傷つくことや、不適切な対応になるという。そこからいじめや不登校になるという。
三重県の山郷小学校では授業を変えたそうだ。アスペルガーの子のために進め方を伝えてカードを使って授業をしたという。発達障害には視覚的な理解のさせ方が良いという、またそれはほかの子にもわかりやすいという。ここまではクローズアップ現代のテレビを見ていての取材です。
ところで私は子供たちがあとりえに来て、静物画を描くとき以外は初めによく図や絵で説明しておき、それから子供に描くように促す。手順を説明することは全体を俯瞰させることだからわかりやすいと思う。私も小さい時、なぜ、どうして、が多い子だった。それを説明してもらえば安心して進める。子供はそういうものだ。ところで、こういった創作的な絵の場合、男の子が奇想天外な表現をする。ショウキに続き、ケンタ、ハルキ、ケンタロウが面白い。
≪私の絵本≫は3回で書き終える予定だが、もうすこしかかりそうだ。のんびり、ゆったり描かせてあげよう。学校じゃないんだから。
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