食卓の情景を描くことそして筆圧の強弱
子供たちに静物を配置しても、大人が書くようには表現しない。気に入ったところや、気になるところを描く。そして見たように描いたつもりでも、遠近法が間違っていたりして、不安定な感じが出てくる。でも、私は子供たちに「それでいいのだ。」 と言って、写真みたいに描いたらつまらないから自分が安心できるように描くので良いと言っている。それは子供の中にあるバランス感覚を引き出したいからだ。
筆圧もこういう静物画を描くとはっきりと出てくる。往々にして、元気で大声でしゃべる子は筆圧も強く元気な絵を描く。ただ、元気すぎて、細かい表現に欠けるので、注意しないと、粗雑になる。
どちらかと言えば静かな子はしゃべらない分、観察や自分の気持ちと対話していたりするので筆圧も弱く、迫力に乏しい。どちらも、そのままではつまらない絵になる場合もある。そういう時はこちら指導者が、どこか美しく感じる部分を強調してみるように促す。すると絵はだんだん面白くなり、本人も意識して、友達に上手と言われるようになる。
そんなことをしながら1年たち、2年たち、3年たち、もっとたち、子どもたちは工作と絵を描くこの教室になじみ、ほかの子よりは少しだけ絵が好きだと感じてくる。私はこの小学生の時は、これでいいと思っている。遠近法はそれなりに大きくなると理解できてくる。自分が一生懸命に描いた絵が、自分で気に入っている。そんな絵が小学生で、1、2枚記憶にしっかりと残ればいいと思っている。だからこうして教室に来て時間を気にしないで描けることが多ければ、その枚数は増えると思う。
いつでも、こうして採り上げる絵を選び、写真のサイズを縮小しココログに載せやすくするという作業をしていると、全員の作品を載せたいのだけれど、いろいろ考えて止めたりもする。その作業は時々つらい。しかし、落ち着きのない子(絵を描く以前の机に座って落ち着いて何かをするという時間を持てなかった子)が、なかなかの作品を仕上げたりすると、私の心の中に勲章のような満足感が広がるのです。
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