八百芳賞の筍はカホの思い出になるだろう
絵に描く、筍を大倉山の商店街の八百芳に買いに行った時、おじさんが冗談のように、「いい絵があったら買ってやるよ」と言ったので、私も半分本気にしてご褒美をあげるといって筍の絵を描かせた。子どもたちには私がご褒美をあげることに心づもりしていた。だが、八百芳のおじさんは約束以上に子供たちの賞を本気で考えてくれていた。
昨日のおけいこの前に、電話をするとおじさんは、「カホとハルキだ。一等はカホだ。」と言った。なんだかその朴訥とした言い方に、私はカホとハルキのおばあちゃんになったようにうれしかった。
いつもかほちゃんは、もう少し丁寧に描いてごらんとか、ここもっと塗りましょうとかの、言葉をかけることが多い。今回の筍は八百芳のおじさんのご褒美と言ったとたんカホの頬が紅潮しはりきり始めた。いつもより長い時間絵に向かっていた。今度名前を変えたらどうかな ≪張り切りカホ≫なんて。あれ、えっつ!かほちゃん名前が良かったんだよ!カホとひらがなで書いておいただけなのに。苗字は何も書かなかったのに!ご先祖様が呼び寄せたのかも。冗談ですが。
そして、八百芳に行くと巨大なタケノコが3本あった。カホとハルキと、私にとおじさんはくださった。でも私は2人のほかにケンタが絵を2枚もがんばって描いていたので、もう1本の筍は健太に賞をあげることにした。
で、そのことをおじさんに話すと、「このケンタのは、緑が濃すぎて強すぎる。」と言った。そうだ、タケノコの見方、買い方の中に、黄色っぽい穂先の方が新しく新鮮で美味しいとよく言われている。やっぱり、八百芳のおじさんが選ぶのはそうなんだ。納得、納得。
それとおじさんは続けて言った。「俺はね、学校も満足に出ちゃいねえけど、絵も小さい時そんなに上手じゃなかったけれど、こうして、ご褒美をあげたら、その子が一生、うれしかった思い出ができると思うから、俺はそうしたかったんだ。きっとその子はうれしいだろうと思って。ほかの子より、自然な感じがした。」その言葉を八百芳の店の奥のごちゃっとしたところで私は聞いた。おじさんが誰よりも偉いと思った。
カホちゃんの絵はきちんと額に入れて、これからずっと八百芳の店先に飾られる。ハルキも良かったね。店先に飾られはしないけど、お母さんにお金に代わるお土産を自分が描いた絵でプレゼントすることができたんだから。
ケンタもがんばった分が報われた。ほかの子たちもこれからまたこうしたチャンスがあったら、先生もがんばります。
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