2010年の夏
この夏の川上での我が家の農作物の収穫はささやかだった。年々収穫量が減っていくジャガイモは柵の下から入り込んだ野ネズミに薯をかじられ、そこをくぐって、イノシシか小鹿が葉を食べたせいで収穫量は減った。種イモの5倍は収穫できるはずなのが、2倍がやっとだった。ジャガイモさえ採れれば、自給自足は成り立つという信念は7月半ばで無残にも打ち砕かれた。海外に行く期間が重なるとどうしても、芽かきなどの作業がずれるので、植物自体のバランスも悪くなり、しっかりとした成長が出来なくなるのだろう。タイムリーにしたいが難しい。
ところがブルーベリーは酸性土壌でも差支えないのでこちらに来るたびに実が実り、食すことが出来た。鳥除けはしていないが、この時期、ほかに食べるものがあるようで、果実は丸々と成長し、枝に残っている。
ところで問題の鹿は今朝、ココにせがまれて朝未明に起きて薄暗い中、目を凝らすと、家の前の道路から2頭が駈け去った。あとで何を食べられたのかとよく見てみると釣り鐘人参の花が食べられていた。またノリウツギもだ。ノリウツギはこの頃シカに食べられるため、徒長枝を長くのばして花を付けるようになった。アジサイの一種でアナベルという新種があるが、その花に似た花がたくさん咲いていた。ドライフラワーにしようと枝を切って花束にしてみた。
今日は畑を耕そうと鍬を入れ始めると敷地で日が当っているところと当っていない所があった。もうそろそろあの木を切らないといけないのだが冬まで待てない。今日は体力があるので切ろうと考えた。1本切ると、芳州さんがチェンソーを持ち出して手伝うという。2本目の木は結構な長さだった。
こうして白樺を切ると、中高時代に国語で「次の短文を比較せよ」という問題を思い出した。一つは男の子が白樺の木に登っていって降りられなくなるという話。もう一つはサルを追いかけて船のマストに登り、降りられなくなるという話。どちらも高い所に登ってしまった男の子に対して、解決の方法が違う話だ。中身についての記憶が曖昧なので書けないが、「飛びこめ」「アリューシャ」という言葉が印象強く思い出す。調べるとアルチェーホフとトルストイの短編のようだ。「教科書に出ていたもう一度読みたい本」に載っているらしい。
もう一つ今年の夏の思い出で書き残していたことがある。八ヶ岳山麓大泉の「八ヶ岳倶楽部」に家族で行き柳生博さんと写真を撮ったこと。かつては柳生博の隠れファンだった私はTBSのドラマで板前さんの役で出ていた彼に心を踊らすこともあったようなこともあるかな。それが作庭家としての道をいく時、私たちと同じ道程、目指す理想が同じようで、不思議な気持ちを持ち続けていた。お会いするのは2度目だが、こうしてブログに書くのは初めてだ。
さて夏休みも終わり、学校も始まっているところもあるようだ。今年は夏休みのアトリエを母の足の具合が気がかりで無しとした。子供たちには申し訳ない気持ちもあったが、きっと思う存分遊んだのではないかと思う。先生はまだお山で、『自分がして楽しい工作のアイデア』を考え中です。白樺の木なんかをのこぎりで切りながら。
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