平川克美 『移行期的混乱』出版記念講演会
昨日はアゲインでの平川克美出版記念講演会に行った。著書 『移行期的混乱』(筑摩書房)に関しての講演だ。著者は経済学者でないが、別の視座から日本経済を読んでいて、どちらかといえば平易な文体で、経済だけではなく、日本が置かれている場所を意識できるように解説してくれている内容の書籍であり、講演会だった。
日本の経済成長を戦後3つの時期に分けることが出来るという。GDPの平均値の変化を高度成長期中心時代(1956~73)の9.1、オイルショックから変動相場制間(1974~90)で3.8、牛肉オレンジ輸入枠撤廃、ソ連崩壊からリーマンショック(1991~2008)までが1.1、つまり戦後17,18年単位で成長鈍化が起きている。家族形態と人口減少で経済を読むことが出来るという。
この3つの変化は私自身の大きな出来事にも一致する。自分が育った時期、結婚して子供を育てた時期、夫が会社から、子供が家庭から独立し始めた時期と一致する。
そして平川氏は最近のマスメデイアは≪その時々の正義≫を振りかざしていて非常に問題がある、私たちはメデイアに頼らない自分の頭で考えることをしないといけないと言っている。これから先どのように移行していくかは本文には書いていないと言う。
しかし、書いてはいないがこの本を読めば、頭の良い人は何かわかると思う。たくさんの資料が載っているからだ。
もう一つ、この団塊の世代がいなくなった後の世の中はすべての問題が解決すると言っていた。(それに過剰に反応した別の制度などが出来ていなかったら)とも言っていた。
さて著者平川氏は私のブログのお気に入りに入っている思想家・内田樹の友人だ。アゲインの代表の石川茂樹さんも友人だ。私はこの≪男の友情≫をブログから垣間見てはいつも、『良いなあ、良いなあ、男の友情は!』と思ってきた。そうした関係の中でのこの著書であり、講演会なのだ。そして我田引水になってしまうが、私は子供たちに絵を教えているが、絵がただ上手になることを目指しているだけではない。絵を通して自分自身を考え、世の中を考えられるような子にしたいと思っている。
昨日講演会から帰ってきてこのブログを書きながら私は私で考えた。団塊の世代が消えていなくなったら世の中の全てのことが解決するって?団塊世代には私も平川氏もその友人も皆含まれる。だとすると、その平川氏はその時点では展開していないが『団塊の世代がいなくなった時にすべての問題が解決する』ということは戦争の影響の問題が無くなってピラミッドでない人口表が出来るということからの日本社会なのか。
私は今から15年前につまり1995年に夫が出版社を辞めてフリーになるという人生の新しい選択をした。夫52歳だった。その時は急にその年に辞めたわけではなく、その何年か前からそういう流れになるようなことが起きていた。具体的なことは今は省く。その時私は思った。こう言う流れは戦争があったからじゃないかと、今もって戦争の影響があるのではないかと感じた。団塊の世代が人口ピラミッドを作り、それが社会の中で何かの不協和音を起こしている。そうだったら、今も流れている戦争の爪痕で夫が困っているならを私がその爪痕を消してやろう。ジャンヌダルクのように。とまでは話していないが、そして今に至っている。
ベビーブーマー、団塊の世代は結局は戦争が引き起こしたことではある。自分たちが望んでいたことでもない。アゲインではこの企画でまた講演会をするという。私はこれから先の私たちがいなくなった時の未来を平川氏にチョコット語ってもらいたいと思った。
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