蟋蟀戸にあり
暦のページによると、今日は七十二候(《蟋蟀戸にあり》
二十四節気では寒露にあたる。二十四節季を三つに分けたものが七十二候になる。まわりの自然が寒くなり紅葉も進み、蟋蟀も戸外から家の中に入って来る。ところで蟋蟀という字は今でいうとコオロギと読むが、昔の人たちはキリギリスと呼んだそうだ。そして、厳密に区別しないでセミ、コオロギ、キリギリス、カマドウマなどを蟋蟀と書いてキリギリスといったという。
百人一首には
きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む(後京極摂政前太政大臣)
この歌は男が恋人に振られて一人寂しくしていることを歌ったのかと思っていたが調べると、奥さんが歌を作る少し前に亡くなったという。秋の人恋しい季節にダブルパンチで淋しさが募る。そして後京極さんは38才の若さでこの世を去ったというから、昔の人は早死にだ。
現代の傾向としては男が先に往くと女は長生きする場合が多い。そして女が先に往くと男はすぐ後を追う場合が多い気がする。
夫婦でどちらが先に往くかという愚問があるが私はあとになりたい。我が連れ合いは『僕が後になって君を看取る』と言う。最近、人の死が身近に感じられることが多くなったので、この様な話題がでるのかもしれない。
キリギリスこっそり見ている田舎の湯 (読み人知らず)
ところでこのキリギリスはカマドウマと思われます。
温暖化が進み季節を感じにくくなって来ているが、できるだけ日本古来からの暦を生活に取り入れたい。今日10月19日から5日間は72候の51候目の《蟋蟀戸にあり》
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