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2012/08/11

初めてのひとり旅@小学4年

《トモユキの夏》その1
4年生の夏休み、トモユキは叔母の住む埼玉県のとある駅を目指して武蔵野線に乗った。次々と駅名を読み、以前母と一緒に乗った時を思い出していた。トモユキは今日は何か違うと心で思うことがあったが、気づけなかった。わかっていることは一人だということだった。

《トモユキの夏》その2
乗り換えの駅にきて階段を上り別の線に乗った。窓に映る景色は母と一緒の時にも見た。今日はぼんやりしてはいけないんだ。何かが違うと思っていた。母から預かったお土産の菓子を背中のリュックに感じて、約束の駅に着いた。

《トモユキの夏》その3
電車がゆっくりととブレーキを掛け、ドアが開いた。いつも母が教えてくれた電車のドアに触ってはダメよとか、ホームと車両の間に落ちないようにとか、いつもママはうるさいと思っていることが懐かしいような気がしてホームに降り立った。

《トモユキの夏》その4
階段を上がり、今度は階段を下りると、改札口に母の妹がいて、にっこりと笑っている。トモユキもにっと笑って、転ばないようにとか人にぶつからないようにとか思いながら叔母のところまで行き、『あいちゃん、こんにちわ』と言った。

《トモユキの夏》その5
叔母の顔を見ていると嬉しくなって、家を出た時から漂っていたいつもと何か違うその気持ちを忘れていた。この人がお母さんと姉妹なのだと思ったら、胸の中に急に温かいものが流れて、母以外の信頼に足るものを感じた。だがトモユキはそれを言葉には出来ずにいた。

《トモユキの夏》その6
それを言葉にできたのはトモユキが高校に入学し文芸部に入り、『小学生の頃の夏休み』という題で書いた作文であの日の気持ちを言葉に再現した、その時だった。それは『親から自立する心』だった。

孫の始めての中距離移動を想像してみた。ツイッターで書こうかと140字で纏めて見たが、機を逸したのでツイッターに載せるのは辞めた。私にはトモユキが移動している、その時間がとても長く感じられた。『始めてのお使い』的に記録しておこうと思う。
人はそれぞれ無意識に生きている時がある。そういったことにある日気がついたら書いておかなければ忘れる。

ところであとから、トモユキに電車に乗っていて考えた事は何かと聞くと、DSの攻略法と叔父さんと叔母さんに会うのが楽しみだったという。

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