シャガールを模写するbyキッズ
左からアスミ、ヒロト、マナミ。
今回は去年行ったドイツのツエレで買い求めた「kunst-malbuch Marc Chagall」という本を元に指導した。画家の絵の一部分(デイテール)を線画に直してあり、それを自由に模写し描かせた。つまり高級な塗り絵と言える。
左からレイナ、リホ、リン。
日本の岩崎書店の「名画の秘密をさぐる・シャガール」の本を菊名図書館で読んでもいたが、丁寧に落ち着いて読んではいなかった。その内容を次回子どもたちに説明をする。模写した作品は1933年の「孤独」と1938年の「エッフェル塔の夫婦」などだ。
左はトモヤ。
描いていて子どもたちが疑問に思ったあの乾電池のようなものは、ユダヤ教の経典の巻物だった。子どもたちが疑問を持ちながら絵を描くことは、絵の記憶が強くなる。
ユダヤ人であるシャガールがロシアのユダヤ人居住区で親戚の音楽好きのおじさんたちと暮らした事や、パリに移り住み、詩人たちと暮らしたことや、ナチスに追われてアメリカに行き、また戻るという事と、教義で肖像画を描いてはいけないユダヤ教を離れて、キリスト教を信じ、聖書の場面を挿絵に描いた事などがあった。また奥さんのベラを愛していて、それらがすべて絵の材料にもなっている事がその本には書いてある。
そして実は私は暮れからずっと、「ヒトラーの秘密図書館」ティモシ―・ライバック著(文芸文庫)を読んでいた。ヒトラーは画家になりたくて美術学校の試験を受けて落ちたという経歴もあるのに、芸術関連の書物はその残された蔵書館には無かったという。ある説によればアメリカ軍が持ち去ってしまい真偽のほどはわからないらしいが。シャガールはすんでのところでアメリカに逃げる事が出来、命を奪われずにその後99才(1998年)まで生きて世界中に感動を与える絵やステンドグラスを描くことが出来た。
ドイツを旅している時に入った本屋でこの本(kunst-malbuch)を見つけ子供たちに今回、試すことができた。子どもの空想を刺激するようなシャガールの絵はとても良かったと思っている。描画素材が色鉛筆とク―ピーのため、若干迫力に乏しく少し残念ではあったが。
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