自転車を巡る映画3本
「365日のシンプルライフ」
この映画のスタートは何もないカラの部屋から全裸で駆け出す男。
失恋してからペトリは毎日がなんとなく嫌になり、家の中が片付かないので、どうしようもなくなって、ある日貸し倉庫に自分の家の持ち物をすべて預けてしまう。そして、決めたことは1日1つだけ必要なものを持ち帰る。それを一年間続ける。食事以外に物は買わない。その一つを選ぶために熟考する。
自転車を持ち出してから、アウトドア好きのガールフレンドが出来る。フィンランド映画で原題は「Tavarataivas」。主演、監督、脚本がペトリ・ルーッカイネン。「この世界では何が大切か」と「できるだけシンプルに生きよう」ということが伝わってくる。ツタヤで2ヶ月待って借りることができた作品だ。
「自転車泥棒」は。1948年のイタリア映画だ。役所のポスター貼りの仕事をするため、質に入れた自転車をやっとのことで出す。ところが仕事中に自転車泥棒にあい息子や友だちと自転車泥棒を探すお話。戦後のイタリアも、日本と同じで一面焼野原で閑散広々としている。私は戦後の大森駅を母の手に繋がれて歩いた時を思い出した。「赤いリンゴ」のレコードが何処からか聞こえてくる初めて出かけた繁華街だった。団塊世代の人たちがこの映画を見ると今まで言葉や文章化が出来ていなかった自分自身のあの頃がフッと思い出されるのではないかな。そして日本の親たちの戦後の苦労や貧困のあの頃の空気を吸いことができる。そんな気がした。ビットリオデシーカ監督の作品で、出演者は俳優でなく一般の人を使っているという。ネオリアリズムの作品ということでハッピーエンドというわけではないが、見終わってからこういう親子もいいし、幸せはハッピーエンドだけじゃないって気もして来る。
「あこがれ」短編
「大人は判ってくれない」
同じDVDに入っていて、トリュフォー監督の自伝でもある。「あこがれ」は町の美しい女と少年たちと彼らの先生を巡る青春の心模様。それにしてもおませな少年たちと憧れる女の子の自転車をこぐ脚が綺麗。
「大人はわかっていない」はトリュフォーの少年時代の不良化して行くプロセスでもあるが、少年鑑別所の制服がやはりフランスだなと納得のいくデザインでカッコいい。主人公のドワネル役のジャンピエールレオはトリュフォーに似ている。「大人は判ってくれない」はまだ私の鑑賞が未消化なので感想はないがトリュフォーの作品はもっと観たい。
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