読書の日々
あとりえチビッコの更新をしないうちにもう1月31日になってしまった。心にかかることはいっぱいある。コロナ禍での注意することや寒い冬のこと、イベルペクチンの薬のことがなぜ表に出てこないのか、パーキンソン病の夫への気配りも忘れてはいけない。でもだんだん朝の陽差しが春らしくなり、夕方の日が長くなり、寒いけれどもう春は兆している。
このところ記事を書かなかったのは読書に勤しんでもいたからです。この歳になってこんなに本が面白いと思えるようになったのは私の読書欲だけでは成り立たない。川上村の図書館が多大な貢献をしていると思う。暮れに川上に行った時には4冊の本を借りて来て、3月まで借りることになるかなと考えていた。入り口付近の芥川賞、直木賞、本屋大賞の年度を遡って借りている。たまにはその特別のコーナーでなくて書庫の中を歩いて探すこともある。今回借りたのは石原燃「赤い砂を蹴る」車屋長吉「雲雀の巣を捜した日」羽田啓介「スクラップアンドビルド」川越宗一「熱源」の4冊。
どれも面白くて今「熱源」を半分以上読んでいる。
「赤い砂を蹴る」はブラジルが舞台で母が画家という設定だ。作家石原燃は太宰治の孫であり、母は作家の津島佑子。芥川賞は残念ながら賞は逃したようだが候補にはなっていた。私は4年前に清里フォトミュージアムで大原治雄「ブラジルの光 家族の風景」の写真を鑑賞していたのでこのブラジルが舞台になっている小説の風景は感じとり易かった。人の心の内面を描いているがその舞台がどのような風土であるのかを幾らかでも知っていると小説に入っていきやすい。
車屋長吉「雲雀の巣を捜した日」は自分が読んだ本や出会った人の印象を書いた本だった。所々、厳しい目を感じる人で、正視できない辛さがあった。こういう考え方もあるのかなとも思ってみるのだが、自分を認めてくれる人には言葉遣いから違っているので、弱い部分があるのだと納得させて読んだ。
羽田圭介の「スクラップアンドビルド」は介護をしてもらう祖父を観察する孫の青年のお話だが、苦しまないで死ねるようにと願う就活をする青年がどことなく憎めない。羽田圭介のバス旅の顔つきを思い出すと、こういう小説を書く感じが頷ける。他の小説も読んでみたい。
川越宗一の「熱源」はまだ読んでいる途中だが、162回直木賞受賞している。樺太のアイヌの男たちと懲役刑でサハリンに流刑となったポーランド人の男の物語だ。紆余曲折、人間万事塞翁が馬、禍福は糾える縄の如しの小説みたいだからこれ以上多く語るのはよそう。もしかすると戦争を知っている人は本の筋が興味深いかもしれない。今そのあたり。
ところで今日1月31日は愛妻の日だそうです。そして明日からもう2月、今年の節分は2月2日です。外には出ないでおうちで南南東を向いて恵方巻きを食べましょう
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