思い出の絵本 その5「きつねの窓」
安房直子*文 織茂恭子*絵 ポプラ社
今回このように絵本を話題にするのはもう我が家には絵本はいらないんじゃ無いかと思いつつ、夫の看護で来てくださる看護士さんに差し上げようと思い立ち、集めて再び読んでみた。そしたら結論は残念ながらあげられないことになった。あまりにMY思い出が詰まっているからだ。
この「きつねの窓」はありえない話をあり得る話に誘い込んでいく巧妙さがある。杉林がいつのまにか桔梗の野原になり、白いきつねを見たあとに、染め物屋が現れ、多分これはさっきのきつねと気づきながら、染めた指で母ぎつねが表れ、自分も指を染めてもらうと昔大好きだった少女が現れ、また自分の実家の縁側の小さい長靴、今にも母が出てきそう。家の中は電気が付き2人の子の声が聞こえる。僕の声と死んだ妹の声もする。家は焼けて庭はもう無い。
素晴らしい指を持ったのに家に着いた途端習慣で手を洗ってしまう。引き込まれて昔の世界に戻されてしまう。
教科書に載ってる物語だ。
私は指で作る窓にに出てきて欲しい情景はたくさんある。今のところひとつに絞れない。
指が勝手にその情景を出してくれると良いな。大切だつたことを気づかせて欲しいから。
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