バベットの晩餐会
バベットの晩餐会
19世紀後半のデンマークの漁村にプロテスタントの牧師を父に持つ姉妹は出会った男たちとは結ばれず時が経つ。フランスパリコミューンの革命で父と息子を殺された調理人バベットは逃れてその姉妹のもとにどり着く。教会を中心に漁村の人々は信仰熱く暮らしていたが年を経て気短く怒りっぽくなる。バベットはくじに当たりその資金を使って牧師の記念日のために晩餐会を催す。隣人である村人たちは美味なフランス料理とワインを心から楽しみ、次第に敬虔な信仰心を取り戻していく。デンマークの漁村、プロテスタントの奉仕の精神、年老いていく中での気持ちの持ち方などがそれぞれの言葉で編まれていくのが心に沁みた。
一軍人から将軍となった年老いた男の言葉より
「慈悲や心と真心が今やひとつになった。正義と平和が接吻を交わすのだ。心弱く目先しか見えぬ我らはこの世で選択をせねばならぬと思い込み、それに伴う危険に震えおののく。我々は怖いのだ。けれどもそんな選択などどうでもよい やがて目の開く時が来て我々は理解する。神の栄光は偉大であると。我々は心穏やかにそれを待ち感謝の気持ちでうければよい神の栄光は等しく与えられる。そして見よ 我々が選んだことは全て叶えられる。拒んだものも捨てたものも取り戻せる。慈悲に心と真心がひとつになり正義と至福が接吻を交わすのだ」
映画の中で語られる言葉だが見てない人は漠然としていると思われるだろうが、映画を見れば理解できる。別れてからもずっと思い続けていた。これからも天に召されてもそうであると。
原作はデンマークの紙幣にも印刷されているカレン・ブリクセン
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