「ブラジルの赤」感想
ルネッサンスの時代16世紀半ば、フランスの植民地をブラジルに作ろうとマルタ騎士団のヴィルガニヨン提督が立ち上がった。イタリア始めヨーロッパで戦ってきた歴戦の強者は配下の騎士や教会関係、行政官、商人、水夫などをその旅のために集めていた。その中にヴィルガニヨンの同志だったクラモルガン騎士の子ジュスト(兄)とコロンブ(妹)が居た。彼らは新天地での通訳として仕事が用意されていた。数ヶ月の大西洋の航海では集まった同志の探り合いや争いがあり食料もなくなり悲惨であったが、フランス王のための植民地を築くことと新教徒のために新しい土地を開拓することの大いなる希望で新天地に着いた。今のブラジル、リオデジャネイロなのだ。海岸の向こうは果てしないジャングルで、食人のインデアンとの戦いでもあった。航海の仲間はそれぞれの出自があって簡単には仲間と言えなかった。
クラモルガン家の2人の子供は2人とも男子として乗船し、ブラジルに着いてからもそのままの処遇だつた。2人はそれぞれ違った道を進み始めた。本国から送られてきたプロテスタントカルビン派に兄は影響され、妹はジャングルのインデアンの自然な暮らしにのめり込んでいく。時間が経つにつれて悪と正義とが見えてくる。2人はクラモルガン家のアイデンティティを芯に困難を乗り越えていく。
夏の暑さを忘れるほどに私も脳内で冒険をした。それにしてもページ数と、登場人物とキリスト教と時代背景を調べつつ読み進めた。章ごとにあらすじと登場人物をメモして進んだので、時々わからなくなると見返した。
この本との出会いはAmazonプライムで見た映画「再会の夏」を検索し、「ブラジルの赤」の小説を知ったのだがたまたま価格が300円送料200円だったので買いやすかった。(o^^o)
23年前の早川書房初版、仏ゴングール賞受賞だが本の状態は極めて良好だつた。
夏休みの後半に同じように胸躍る小説は出てくるか? 10日余の適度な脳の疲労感は熟睡を誘った。作者ジャン=クリストフ・リュファンへの憧れが夢となって現れますように! ジャングルの植物の葉が重なり合い鬱蒼としている中に女性として艶やかな肌のコロンブが自由を手にして生きていく、これは読み手の想像に任された世界でもある。

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