詩を描く
子どもたちに5つの詩を読みきかせ、その中の描けると感じる詩があったら、描きはじめて良いと言って始めました。詩と子どもの関係を説明してるので、今回結構長いです。自分の小さい時にいたあの子のことを思い出し、自分の家族を思い出して読んでくださると他人の子でありながらおもしろい鑑賞ができるでしょう。
リンとリホは谷川俊太郎の「そら」。リコは佐藤信の「おねえちゃん」。マナミとアスミは水谷まさるの「夢の木」。レイナは阪田寛の「ねこふんじゃった」ヒロトは谷川俊太郎の一節のロケットから自分の言葉(詩に近いがまだ美しくない旋律)を言いながら描く。子どもたちは自分の経験や願望を詩に託せる。それを予想して、詩集から何編か選んだ。朗読も気分を高揚させるので、先生はがんばって、発声練習などして読みました。詩はリズムがあり、気分を盛り上げていけるので、イメージが作り易いと思います。 レイナは「ねこふんじゃった」を読むと、宙を見つめて、「あっ、そうだ!」と何遍も考えながら嬉しそうに描いていきました。『ねこふんじゃった ねこふんじゃった ねこふんづけちゃったら ひっかいた ねこひっかいた ねこひっかいた ねこびっくりしてひっかいた ねこふんじゃった ねこふんじゃった ねこふんずけちゃったら ないちゃった ねこないちゃった ねこないちゃった ねこうんごろにゃんと ないちゃった ねこふんじゃった ねこふんじゃった ねこふんずけちゃったら いっちゃった ねこいっちゃった ねこいちゃった ねこあっちむいて いっちゃった』 動物図鑑の猫のところを見て色をぬったけど、形は自分で描きました。爪のところが可愛いね!ピアノを習っているから五線譜は得意ね。
リコ(6年)は「おねえちゃん」の一節を聞いてすぐに決めた。弟がほしいのだという。この絵はピッタリな感じだ。
『ぼくのねえちゃん おんなだぞ おんなでとってもつよいんだぞ すもうなんかはクラスいち だしなげとくいな よこづなだい ぼくのねえちゃんおんなだぞ おんなでとっても えらいんだぞ やきゅうのときはかんとくで ブロックサインもだせるんだぞ ぼくのねえちゃん おんなだぞ おんなでとってももてるんだぞ ボーイフレンドじゅうごにん ぼくもいれれば じゅうろくにん ぼくをいじめると ねえちゃんくるぞ よねんにくみの ねえちゃんくるぞ』
リコが鉛筆で下書きをしている時に色鉛筆がふさわしいと思った。本人も気づいていたと思うが色鉛筆を薦める。今写真をよく見たら、二人の手には!!!がある。弟がおねえちゃんを自慢する顔がかわいい。私も弟を思い出したぞ! この詩のように、弟に手出しをするいじめっ子をやっつけた。ゆるせん!と。 「夢の木」はアスミとマナミ。
『ゆすろう、ゆすろう、夢の木を あおい野原の まんなかに 一本はえてる 夢の木を。ゆすろう、ゆすろう、夢の木を 枝にまっかな 夢の実が ぽとりぽとりと 落ちるまで。ひろおう、ひろおう、夢の実を ひろってたたいて わって見よう おもちゃがいろいろ 出るそうな』
アスミは1年生、マナミは6年生。二人とも心の中に浮かんだことを描くのだけれど稚拙さが抽象性を引き出せるかもしれない。アスミは私が≪ゆすろう≫を体で表現したのが分かってに―っと笑って描きはじめる。マナミの絵の中のパトカーのおもちゃ、先生はドキッ、別に悪いことしてないけどね。 「そら」の詩は今手元にないのでまた後で入れます。今八ヶ岳なのでね。リンは挿絵風に描く。リンは左右対称に描く。鳥はスズメを表しているんだけど、絵の中では上の方で目立ってほしかったので、もっと黄色っぽくと言ってしまった。絵として見るのと詩の説明とは違うのよね。
リホは一つの絵として描いた。リホは形の取り方はアンバランスでいて、 色彩のバランスはとれている。いつも使わない色になった。夜の空を黒と決めて描かないようにと言う。リホは座ってじっとして時間をかけて丁寧に描くという仕事の仕方が得意だ、時々『リホちゃん息してる?』って私はふざけて聞く。『大丈夫だよー、息してるよー、』とリホはに―っと笑う。時間をかけて良い作品が出来ると私は嬉しい。 ヒロト君はロケットを描きたがり、詩に対しては良い反応がありませんでした。そう、男の子は動くものに反応し、女の子は人の顔に脳が反応するのでした。物語性は苦手なのかもしれない。きょうの課題はヒロト君には難しかったかも知れません。
興味のある方は≪男の子 女の子 脳の違い≫でパソコン検索するといろいろでています。本もいろいろあります。実生活のヒントもあるでしょう。ここでは脳の説明はしません。今回の課題は全体として良い作品が描けたようです。
それと修学旅行でお休みのトモヤにもこの課題は描かせたいです。火曜日の午後あたりどうかな?
追記: トモヤの≪詩を描く≫そら
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